認知症で「自宅が売れない」悲劇を回避 おひとりさま・事実婚でも使える≪家族信託≫の威力
もう少し説明しましょう。法的に婚姻関係にない事実婚カップルや同性カップルでも「たすき掛け信託」を活用すれば、お互いを受託者に設定することができます。たすき掛け信託とは、法律上の配偶者でなくても、双方が自分の財産を相手に託し合う形で結ぶ家族信託です。
例えば、家族信託で「お互いを受託者に指定する」「残余財産を承継させる」といった内容の信託契約を結ぶことは可能です。さらに、「信託契約」に加えて「遺言」「死後事務委任契約」を併用することで、老後の財産管理から死後の手続きまでをカバーし、安心して暮らせる仕組みを作ることができます。法制度が追いつくまで待つのではなく、「今できる備え」として検討されるケースが増えています。
家族信託が向いていないケースもある
もちろん、すべての人に家族信託が適しているわけではありません。
例えば、次のようなケースでは、家族信託を無理に使うことで、かえってトラブルを招くこともあります。
・受託者を任せられる人がいない
・財産が非常にシンプルで、管理の必要性が低い
制度はあくまで「手段」。自分たちの状況に合っていなければ、意味を持ちません。
家族信託を考えるときに大切なのは、「元気なうちに、家族としっかり話す」ことです。
・どんな老後を送りたいのか
・もしものとき、誰に支えてほしいのか
これらを言葉にしておくこと自体が、将来の不安を減らす第一歩になります。
家族信託は、多様な生き方・家族のカタチに対応できる数少ない仕組みのひとつです。
知っているか、知らないか。
考えたことがあるか、ないか。
その差が、将来の選択肢を大きく分けることになるかもしれません。
家族のカタチが多様化する今だからこそ、自分の未来を、自分で設計するための選択肢として、家族信託を知っておいてほしいと思います。
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