認知症で「自宅が売れない」悲劇を回避 おひとりさま・事実婚でも使える≪家族信託≫の威力
障がいのある子供や、生活面で支援が必要な家族がいる場合、「親が亡くなったあと、誰が、どう支えるのか」という親なきあと問題は避けて通れません。
例えば、障がいがあり、80代の母親と二人暮らしをしている姉がいる場合。母と姉の将来を考えると、次のような懸念があります。
・ 母が亡くなったあと、姉が財産を相続しても管理が難しい
・ 姉の生活支援や財産管理の負担が妹に偏る可能性がある
このような場合も、家族信託を活用すれば、財産をどのように使い、どのタイミングで、誰が関与するのかを具体的に設計しておくことが可能です。
家族信託をうまく活用して生活を支える仕組み作りを
親なきあと問題への備えとして、まず家族信託で支援体制を整える方法があります。
例えば、母を第1受益者、障がいのある姉を第2受益者、妹を受託者とする「受益者連続型信託」を利用すれば、親の判断能力が低下しても財産管理を継続でき、親なきあとも姉の生活を支える仕組みが作れます。姉が十分な意思表示や権利行使が難しい場合には、「信託監督人」を置くことで公平性と透明性を確保できます。信託監督人は、信託契約に基づいて受託者の業務を監督します。
また、妹だけで姉の生活支援を担うのが難しい場合には、成年後見制度を併用し、財産管理や生活支援(身上監護)を専門家と分担することで負担を軽減できます。
一方、身近に頼れる親族がいない場合は、「生命保険信託」を活用するのも1つの手段です。生命保険信託とは、本人(生命保険の契約者)が亡くなったあと、信託銀行等が保険金を受け取り、保険金の受取人に対して必要なタイミングで生活資金を給付する仕組みです。
受取人が未成年者や高齢者、障がいがある場合、自分で資金管理が難しいこともあります。このような場合に、信託銀行等が受託者として生命保険金を安全に管理し、受取人へ必要に応じて計画的に配分できます。また、生命保険金の受取人が未成年者の場合、親族が未成年者に代わって財産管理を行い、使い込みが起こるケースも報告されており、こうしたリスク回避にも有効です。


















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