就職氷河期世代のミチコさんのキャリアは、一貫して“不本意非正規公務員”だった。
地元の高校を卒業後、4年制大学への進学を目指したが、かなわなかった。今以上に男尊女卑の価値観が残る時代、両親は「浪人は許さない」という考えだった。
このため、短大で保育士の資格を取得。5年ほど保育園で働いてお金をため、学芸員を目指して国立大学に入りなおした。ところが、いざ卒業してみると、女子学生には正社員の募集がない。
まれに正規雇用を見つけても、自活できない水準の給与。「結局、公務職場の非正規の仕事を選ぶしかありませんでした」。データ入力や事務補助などの仕事で、手取りはよくて十数万円。1~3年の有期任用で、自治体の外郭団体や出先機関を転々とすることを余儀なくされた。
「勤務態度が悪いから」クビ
理不尽な経験も数多くあった。なかでもひどかったのは、女性活躍のための推進事業を担う団体で、妊娠中に雇い止めにされそうになった同僚と一緒に労働組合をつくったところ、2人とも雇い止めにされたことだ。
理由は「勤務態度が悪いから」。
ミチコさんは「(中心的な業務である)セミナーの企画も任されていて、勤務態度を注意されたことなど1度もありません。女性活躍といいながら妊婦を辞めさせるなんて」とあきれる。
このとき労働組合をつくるために足を運んだのが、労働局。ちょうど相談員を募集していることを知り、安定雇用に役立つ仕事に興味を持ち、応募を決めた。
不安定な身分とはいえ、同じ職場で10年以上働くことができたのは初めてで、もっと知識を身に付けたいと社会保険労務士になるための勉強も始めた。開業すれば、雇い止めを心配しなくてもよくなるからという理由もあったが、合格はまだできていない。


















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