「次々と人気作品の舞台に」「"朝食戦争"もアツい」 映画『ラストマン』のロケ地《函館》に今、外国人が殺到している"なぜ"

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国籍別には台湾が40.6%を占め、次いで中国が28.7%、以下、韓国、香港、タイ、シンガポールと続き、特にアジア各国にも人気の『コナン』効果が影響していることがうかがえます。

五稜郭
「五稜郭タワー」から望む「五稜郭公園」。劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』の舞台となりました(写真:筆者撮影)

経済効果に貢献「フィルムコミッション」の存在

函館市役所内にある「はこだてフィルムコミッション」では、これまでも函館出身の作家・佐藤泰志さんの作品を映画化した『海炭市叙景』(10年)、『そこのみにて光輝く』(14年)、『オーバー・フェンス』(16年)の「函館三部作」などの撮影支援を行っています。

近年は多くの大規模作品の舞台地となり、経済効果も顕著に現れるようになってきました。筆者は、函館三部作の公開当時からロケ地巡りをライフワークとしており、これまでの函館市による撮影支援実績を見てきましたが、これはまさにその成果であると考えられます。

本作でも、函館が誇るエキゾチックな街の雰囲気、また強みである「食」という特徴が生かされたことに加え、港や路面電車、八幡坂や五稜郭といった観光地など、同市ならではの風景をフルに活用できる撮影支援体制があったことが重要な要素となっています。

函館
函館ハリストス正教会の荘厳な「主の復活聖堂」。1860年に建造された日本初の正教会の聖堂で、当初はロシア領事館の付属聖堂でした。現在は国の重要文化財になっています(写真:筆者撮影)
函館
レトロで美しい建造物の多い函館。写真は、高台に建つ「旧函館区公会堂」(写真:筆者撮影)

北海道全体においては、中心都市である札幌市が先進的な取り組みを続けており、「一般財団法人さっぽろ産業振興財団」内の組織「札幌フィルムコミッション」が札幌市と連携しながら、映像コンテンツの撮影やプロモーションをサポートしています。

特に現在では、単なる撮影誘致にとどまらず、札幌を「映像の街」とするための取り組みとして、撮影に関する一元的な窓口となり、市内の映像事業者の振興にも注力しています。

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