東京23区でも売れなかった"四重苦"の空き家が人気宿に!《DIYで再生、北欧出身モデルの手腕》「ボロボロの建物をかっこよくするのが面白い」

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さて、三軒茶屋の物件だが、現在は他の物件同様に人気物件になっており、取材時に中を見せていただくことは叶わなかった。中長期で滞在する人が多いため、所有者でも室内に入れる日は非常に限定されてしまうのだ。

人気の理由は観光地ではなく、三軒茶屋という活気のある、日本の日常生活を味わえる地域に立地しているということに加え、ここ数年で一般にも知られるようになったインテリアトレンド「ジャパンディ(JAPANDI)」にもある。

これはJAPAN(日本)と SCANDINAVIA(スカンディナビア、北欧のこと)を合わせた造語で、シンプルでナチュラルな北欧テイストに障子や畳など海外にはない和を入れ込んだものと解すればいいらしい。似たようなテイストに「和モダン」があるが、こちらは和をベースにした和洋折衷。どちらがメインかが違うということだろう。

実際にアントンさんの作っている部屋の写真を見ると畳、障子、提灯、たんすなどのアイテムがさりげなく配されており、そのうちには廃材、廃棄されそうになっていたもの、中古品なども混じっている。

アントンさんの改修後の物件
(写真左)アントンさん改修後の物件外観。紅葉の時期に撮影されており、それだけでだいぶ、雰囲気が変わる/(写真右)現在の玄関回り。階段の1段目に段差があり、そこに石を置いて高さを調節している。内山さんは工事で高さをと考えたが、アントンさんは石を置くほうが面白いと考えたそうだ(写真:アントンさん提供)

それが建物の古さとうまく混ざり合い、よく見る和室が妙にかっこよく思えるのが不思議。三軒茶屋の所有者も家具が入った後で現地を訪れ、変貌ぶりに驚き、「素敵なインテリア」と喜んでいたそうだ。

リビングダイニングとキッチン
(写真左)リビングダイニング。和風の照明がよく使われている/(写真右)キッチン。水回りは現代風に改装されている(写真:アントンさん提供)
アントンさんの改修後の物件
(写真左)古いたんすなど和のテイストが取り入れられている/(写真右)広いとは言えない敷地だが、椅子を置いてちょっとした憩いのスペースにしてある(写真:アントンさん提供)
リビングと客室
(写真左)鏡に映ったリビング。古い茶箱をテーブルとして使っている/(写真右)現在の客室。畳の上にベッドが置かれているが、さほど違和感はない(写真:アントンさん提供)

単なるDIYじゃない

内山さんによると「アントンさんのDIYは、リノベーションの手段というより、アーティスト的な感性を持ったプロデュースとしての手段」とのこと。

「世界的な高級ホテルが廃棄したソファをもらって来て使っているなど、どこからその情報を得たんだろうと驚かされることも多く、ネットワーク、目利きの力がすごいと思いますね」(内山さん)

空き家再生で成功するにはいろいろと必要な力があるということらしい。

アントンさん
アントンさん(写真:アントンさん提供)
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中川 寛子 東京情報堂代表

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なかがわ ひろこ / Hiroko Nakagawa

住まいと街の解説者。(株)東京情報堂代表取締役。オールアバウト「住みやすい街選び(首都圏)」ガイド。30年以上不動産を中心にした編集業務に携わり、近年は地盤、行政サービスその他街の住み心地をテーマにした取材、原稿が多い。主な著書に『「この街」に住んではいけない!』(マガジンハウス)、『解決!空き家問題』(ちくま新書)など。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会各会員。

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