東京23区でも売れなかった"四重苦"の空き家が人気宿に!《DIYで再生、北欧出身モデルの手腕》「ボロボロの建物をかっこよくするのが面白い」

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「2025年5月に内覧会を行った三軒茶屋の住宅は細い路地の奥にあり、接道がないので再建築不可。しかも築68年と古く、増築を繰り返してきた建物で、用途変更や増築に必要な検査済証がない、さらに借地という 四重苦を抱えていました。

相続した人はいろいろな不動産会社に相談してみたものの、『安くしても売れませんよ、借地なら返してしまったらどうです?』と言われるばかり。本音ではこの土地に愛着があり、親が大事に住んできた家を残したいと思っていた所有者はこの10年ほど定期的に通いながらメンテナンスを続け、一方で将来どうしようかと悩み続けてきた。

さすがにそろそろなんとかしないとまずいだろうと2~3年前から残置物を処分し始め、世田谷区の空き家相談窓口に足を運んだところで私たちと巡り合いました」(内山さん)

改修前の物件
(写真左)改修前の建物外観。路地からさらに奥まったところに敷地があり、周囲の家に囲まれている状態/(写真右)2階の和室。古い建物なのでほとんどが和室(写真:Japan. asset management)

内山さんが最初に現地を訪問した際、「すごく素敵な家ですね」と言ったことに所有者は驚き、「初めて言われた。本気で言っているんですか」と答えたという。廃墟、空き家を最初からダメなものとして片づけてしまう人と、そこに可能性を見る人にはさほどに違いがあるわけだ。

手元に資金がなくても空き家は改修できる

第1段階の改修にあたっては「かりあげ+0円リノベ」という仕組みを活用した。これは内山さんたち事業者が所有者から不動産を借り、事業者負担で改修を行って、それを一定期間、第三者に貸すというもの。

所有者は改修費用を負担する必要はないが、事業者が改修費を回収する一定期間中、所有者が事業者から受け取る賃料は実際に事業者が貸している賃料の半額以下に抑えられる。事業者が改修費用を立て替えて先に払い、その後、所有者は賃料の中からそれを事業者に返していくと考えれば分かりやすいかもしれない。

改修費の回収期間が終わったら改修されて資産価値の上がった不動産が所有者の元に戻ってくるので、以降は所有者が好きなように経営をすればいい。手元に資金がなくても空き家を改修、活用できるやり方で、所有者が賃貸経営をする必要もない。所有者にとっては非常に使い勝手が良い仕組みであり、この10年ほどで知られるようになった。

内山さん達の改修作業中
最初の、内山さん達の改修作業中。車が入らないので資材、設備類を運ぶのが大変だったそうだ(写真:Japan. asset management)

所有者が長く残したいと希望したため、実際の改修では耐震改修はもちろん、インフラ配管の更新その他を行い、建物の長寿命化を図った。その結果、今回は最終的にはオーナーにも一部を負担してもらうことになったが、補助金なども活用し、可能な限り、負担を減らすことに務めた。

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