また、用途を住宅から店舗・事務所併用住宅とし、内装は借りた人が手を入れることを前提にすることで、予算軽減の仕組みも取り入れた。
「空き家再生にあたっては、もともと住宅だから再生後も住宅、と考えがちですが、その考え方はマイナス。今回も改修後、最終的にアントンさんに決まるまで、相当数の問い合わせがありましたが、使い方は学童、アトリエ兼オフィス、シェアアトリエ、事務所併用といろいろ。使い方が多様化している今、柔軟に検討することが再生の可能性を広げます」(内山さん)
「なんで日本の古い家は安いんだ?」
さて、続いてはその家を借りてDIY、宿泊施設として運用しているアントンさんである。スウェーデンに生まれ、築120年の家で育ったアントンさんは2019年に来日、移住を決めた時から日本の住宅事情は不思議だと思っていた。
「スウェーデンの家はほぼ全部が古く、100年は当たり前。中には400年という建物も現役で使われており、日本人が新築しか住みたくないと考えることが理解できません。なんで、古い家はこんなに安いんだと驚きました。
そこで日本に来て最初に買ったのは世田谷区内の築30年、39㎡のマンション。価格は1400万円。NYやロンドン、パリで築30年なら新しいほうです。
それをフルリノベーションしたところ、撮影場所などとして話題になり、そこから古家のリノベーションにはまり、次々に再生、現在は6軒を宿などとして運用しています。空き家を買う、借りる以上にボロボロになった建物をどうかっこよくするか、それを考えるのが面白くて」(アントンさん)
今回の現場である三軒茶屋には他にも物件を保有している。うち1軒は2020年に初めて買った空き家で、自力でオーナーを探して交渉、購入に至った。
今回の物件のすぐ近くにあり、やはり再建築不可、築80年オーバー、木造2階建て、延べ床面積約90㎡で、価格は約1000万円という破格値。オーナーに直接交渉したことが功を奏したのだろう。



















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