肉親から「人間でないものを産んだ」とまで言われ…重い障がい負う2児の"父"となった元牧師が憂う、優生思想や核家族化に追い詰められる親子たち

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現実に直面しているからこそ、松原さんは、病院に子どもを置き去りにする人のことを決して責めない。「経済面でも人為的な面でも、精神的面でも社会的面でも、孤立が予想できる現代。すべての面において行政からのサポートがないと、そりゃ混乱したり、衝動的もしくは追い詰めらた結果、言葉はよくないですが、捨てたくもなりますよ……。

でも、誰かを悪者にしても仕方がない。その誰かを傷つけるだけですし、状況は変わらない。ましてや自分を責めて追い込んではなりません。だから、できることと言えば、神さまや仏さまに文句を言うことかもしれませんね。怒りの行き場は、生活に関係のない第三者へ向けたほうがいい」

松原さんとやまとくん
自分を責めすぎないことは、子育てをするどんな親にとってもマストかもしれない(写真:松原さん提供)

「出生前診断でダウン症を減らせた」曲げられた“成果”

最後に、さらに過酷な例を紹介しよう。松原さんのもとには、出生前診断にまつわる相談も少なくない。まだ陽性確定の前段階で、夫婦が割れるケースもあるという。

「とある妊婦の方の例ですが、出生前診断を受けて、ダウン症の可能性が指摘されたと。まだ陽性確定検査までは行ってないものの、私は産みたいと思うけれど主人は反対ですと。こういう相談はざらにきますね」

さまざまな場面で、「中絶して当然」に寄っていく圧力があるとも言う。

「遺伝カウンセラー制度ができましたが、これがうまく機能していないのも現実です。『陽性が出たら中絶しますよね』っていう雰囲気があるのです。不安が大きいなか、それを跳ねのけてまで『妊娠継続します』とも言いにくいし、『こんな子を産まないほうがいい』みたいな圧があるのだと」

その結果、残念ながら、出生前診断でダウン症が判明した子どもは堕胎されることが多くなる。しかし、これが「出生前診断の導入で、ダウン症の出生数を減らすことに成功した」というポジティブなベクトルに曲げられ、「成果」として学会に発表されたというのだ。

実際の大変さを痛いほど理解している松原さんは、この「成果」という言葉に対して、複雑な心境を交えながら語ってくれた。

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