肉親から「人間でないものを産んだ」とまで言われ…重い障がい負う2児の"父"となった元牧師が憂う、優生思想や核家族化に追い詰められる親子たち
松原さんは、自分自身が医療ケア児を育てる立場になって初めて、支援の「わかりにくさ」を痛感したという。支援制度があるかどうか以前に、そこに「たどり着けるか」が壁になる。
資金面に精神面、あらゆる面で壁ばかり
「さまざまな制度がそうでしょうけれど、例えば役所は、“こんな支援がありますよ”なんて、自発的にはまず言ってくれないんです。自ら出向いて相談しないと。しかも、相談内容と具体的に一致する支援制度があるかどうかもわからないし、担当者によっては、知識や経験がなくて適切な対応をしてくれないとか、それこそ心ない言葉を投げかけられることすらある。
私の場合も、最初はわからないことだらけでしたし、活動を始めるにあたり、支援金についてこども家庭庁に相談したときも、何もしてくれないに等しい状況でした……。だから、助ける支援があったとしても、それにたどり着かない家族っていうのは結構あると思いますね」
こんな状況だったゆえに、松原さんは当初、活動資金を借金でつないだ。
「最初にお金を借りられるだけ借りました。難病の子ども2人を抱えるにあたり、生活していけなくなるので。生命保険の契約者貸し付けとか……。自分たちが生きていくための最低限の資金もいるし、赤ちゃんに会いに行ったり、赤ちゃんのお母さんのところに行ったりっていうのも全部自腹なんですよ」
現在は、活動を知った一般人たちからの寄付などで1カ月に20万円ほど賄えている状態だそうだが、それでも赤字。「今後もどうなるかわからない」とうなだれる。
さらに、問題を雪だるま式に膨らませているのが核家族化だ。子どもの面倒を見てくれる親族がいないうえ、仕事、介護、医療費、交通費──すべてを「大家族」ではなく、夫婦だけで抱える構造になる。当然、お金に限らず気力・体力も削られる。話をしてもわかってくれる相手もいないとなれば、まさに八方塞がりだ。
松原さんは、祖父母の存在が「救い」になる家庭も多いと言う。しかし、その祖父母が前述のように、医療ケア児や障がいのある子を受け入れてくれない場合もある。こうなると、その夫婦は社会からも切り離されていく──。


















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