「意外と落とし穴が」腎臓寿命を守る水分摂取→「トイレが近くなるから水を飲まない」は絶対にNG

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なぜ、「トイレの問題よりもしっかり水分を摂るほうを優先する」という行動が腎臓を守ることになるのか。そのいちばんの理由は、腎臓が大量の血流によって維持されている臓器だからです。

腎臓には絶え間なく血液が流れ込んでいて、その量は心臓が送り出す全血液の4分の1に相当するとされています。そして、体にこういった大量の血流を循環させるには、普段から水分をたっぷり摂ることが必要なのです。つまり、腎臓を日々健やかに働かせるには、常に水分補給を欠かさないようにして、体内にたくさんの血流が回っている状況を保っていく必要があるわけですね。

逆に、体内の水分が不足して血流量が減ってしまうと、腎臓が一気に機能低下してしまうリスクが高まります。

なかでも怖いのが脱水状態です。いまは冬ですが、夏場に水分摂取を控えていると、発汗で水分が失われることもあって、脱水状態に陥りやすくなります。すると、全身の血流量が減って、腎臓への血流も急減するため、急性腎障害(AKI)を起こしやすくなるのです。急性腎障害は、数時間から数日のうちに腎機能が低下してしまう病気です。これによって人工透析になってしまうケースも多いですし、重症になると多臓器不全に陥って命を落としてしまうケースもあります。

それに、怖ろしいリスクが高まるのは腎臓だけではありません。水分をろくに摂らず脱水に陥ると、血液の粘性が高まって脳卒中や心筋梗塞を起こすリスクも高まります。とくに、高齢者はのどの渇きを知覚しにくいため、夏のさなかでも水を飲まずに暑さをやりすごしていることが少なくありません。そういう方はいつ脱水に陥って危険な落とし穴にハマってもおかしくないと思ったほうがいいでしょう。

「目先のトイレの問題」よりも「腎臓の健康」

いかがでしょう。このように見ていくと、「トイレが近いから水を飲まないでおく」「夜、トイレに起きるのが嫌だから寝る前は水を飲まない」といった行動がたいへん危険であることがお分かりいただけるのではないでしょうか。

腎臓の健康維持には水分摂取が不可欠。だからみなさんも、毎晩寝る前にコップ1杯の水を飲み、朝起きたらコップ1杯の水を飲む。さらに、運動の前後や外出する前、食事を摂る前にも必ずコップ1杯の水を飲む――といったように、小まめな水飲み習慣をつけていくようにしてください。

優先すべきは、目先のトイレの問題よりも、腎臓の健康を守り、大切な命を守っていくこと。ぜひ、そう心得たうえで、水を飲むようにしていくといいでしょう。

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