「会社では表彰もされたが、それ以外の思い出があまりない」「何のために生きてきたのか」…。元エリート部長が晩年に医師へ漏らした"最大の後悔"

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悩むシニア男性
「働きすぎなければよかった」――患者の声や自身の体験を通して筆者が考える「60歳を過ぎたらやるべきこと」とは?(写真:Luce/PIXTA)
「働きすぎなければよかった」「もっと家族と旅行しておけばよかった」「友人や仲間との交流を大切にすべきだった」――。
40年近く高齢者専門の精神科医として6000人を超える方々と向き合ってきた和田秀樹さんは、患者さんが死ぬ間際や死が近づいたと自覚したとき、しみじみと語る後悔の声を聞いてきたことで、人生観や生き方を大きく変えたそうです。
それまでは医学界での名誉を求めていたそうですが、本当に自分のやりたい医療を行ったり、映画を撮ったりする方向にシフトしたのです。性格もおだやかになったといいます。
同氏の新著『医師しか知らない 死の直前の後悔』より一部抜粋し再構成のうえ本稿では、「もっと人生を楽しめばよかった」と後悔する人の声を紹介します。
1回目:『死の間際見てきた医師が語る「最期に後悔する事」

働きすぎなければよかった

かつて大手保険会社の部長を務めていたある男性は、定年後も「継続雇用制度」を利用して関連会社で働き続けました。しかし、かつてのような役職も裁量もなく、不本意な立場での仕事が続いたことでだんだん嫌気が差し、しばらくして退職することになります。

その後は新しい仕事を始めるわけでもなく、ただ家のなかで過ごす毎日が続きました。そんな彼が晩年にもっとも後悔していたのは、「結婚してから、ほとんど仕事だけしかしてこなかったこと」でした。

「とにかく家族を養うことが最優先だと思って、がむしゃらに働いてきたんです。平日はいつも帰りが遅く、休日はだいたい接待ゴルフ。だから子どもたちの成長もきちんと見てこなかった。

小さいころは寝顔を見るくらいしかなかったし、運動会や授業参観に行った記憶もほとんどない。子どもたちはすっかり大きくなったが、もう口なんてほとんどきいてくれませんよ。やっぱり、親としての時間をもう少し大切にするべきだったのかもしれませんね……」

このように歳をとってから仕事一筋で生きてきたことを悔やむ人の話を、これまでに何度も耳にしてきました。

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