令和の高校生「進路は正直なんでもいい」理由。スマホ世代特有の"選ばない"生き方とは?

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おそらく答えはNOでしょう。作っている最中に、「ここがダメだ」「このままではいけない」と考えてしまい、創作することができなくなってしまう。わかっているからこそ、うまく形にできないわけです。

これは、小説ではなく、人生においても同じことが言えます。いろんな人生についての情報を得れば得るほど、自分の人生を組み立てるのが難しくなり、挑戦できなくなってしまいます。結果、安定的で多くの人が選ぶ道を選んでしまうのではないかと思うのです。

昔はそうではありませんでした。30年前の高校生は、自分の将来像をほとんど想像できませんでした。だからこそ、無謀な挑戦を「えいや」で選べたのです。

一方で現代の高校生は、YouTubeやSNSで先輩たちの成功・失敗モデルをリアルに知っています。だからこそ、“失敗の具体的イメージ”が過度に鮮明になり、挑戦しにくくなるのです。

また、「考える」ということに関しても、スマホ世代はその機会も能力も減っているのではないかと思います。

「粘り強く考える」という行為自体が苦手

東京慈恵会医科大学の研究グループは、長時間のスマホ使用が前頭前野の働きを低下させ、注意力や記憶力、思考の持続を妨げる“スマホ認知症”の傾向を生む可能性を報告しています。

すぐに情報が出てくる環境に慣れすぎた結果、「粘り強く考える」という行為自体が苦手になっているのかもしれません。

本来、進路選択は時間のかかる“重い”プロセスです。悩み、迷い、比較し、決断する――この一連の流れを避けて通ることはできません。しかしスマホに最適化された思考回路は、この“重さ”を避けようとするのではないか、と。 

そして、悩んでいない回答は結構簡単に変わってしまいます。たくさん悩んで苦しんだ末に出した結論なら、覚悟が決まっていますから、後からブレることも少ないです。でもそうでなく、瞬間的に決めてしまった結論は、後から「あの選択でよかったのだろうか」と悩むことになります。

そしてそんな中で、生徒たちの口からよく出てくるのは、「失敗したくない」という言葉です。成功したいから選ばないのではなく、失敗したくないから選ばない。これが「挑戦しない進路選択」の正体なのではないでしょうか。

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