78歳で死んだ父の信じられない遺言「遺産2000万円はすべて隠し子に」 税理士も弁護士もお手上げの相続争い引き起こした"ずさんな終活"

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そこで、Aさんは信じがたい事実を目にします。戸籍には、父と前妻との間に生まれた子として、Bさんの名がしっかりと記載されていたのです。つまり、父は生前、Bさんを正式に「認知」しており、法律上の子として扱っていたことになります。

一方で、Aさん自身の名前は、どこにもありませんでした。戸籍にも、今回の遺言書にも、「A」という文字は一文字も現れません。

Aさんは、私の前でこうこぼしました。

「親戚も誰も知らない隠し子が父の遺産を相続できて、長年家族として生きてきたはずの自分が相続できないなんて……」

税理士である私も「本当にこんなことが起こるのか」と衝撃を受けました。

認知されていなかった“実子”

このケースを複雑にしていたのは、Aさん自身の出生の事情です。実はAさんは、父と母が結婚する前に生まれた子どもでした。本来であれば、父が「認知届」を提出していれば、それで法律上も親子関係が成立します。しかし父は、その手続きをとっていませんでした。

Aさんは幼い頃から父と同居し、「お父さん」と呼んで育ってきました。学校行事にも来てくれたし、お小遣いももらった。社会人になってからも折に触れて相談に乗ってもらい、晩年は病院の送り迎えから入退院の手続きなど、ほとんど付ききりで支えてきたと言います。

それでも、戸籍上は「親子ではない」。

血はつながっているのに、法的には完全な“他人”扱いになってしまう。これが、日本の相続制度の冷徹な側面です。

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