78歳で死んだ父の信じられない遺言「遺産2000万円はすべて隠し子に」 税理士も弁護士もお手上げの相続争い引き起こした"ずさんな終活"

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「公正証書遺言があり、認知された子どもがいて、しかもその子が遺産を受け取る意思を明確に持っている。ここから覆すのは、正直なところ相当難しい」

それが、税理士として弁護士と相談したうえでの率直な実感です。

親子の実態よりも認知の有無が優先されるという理不尽

このケースの本質的なつらさは、「会ったこともない“隠し子”が2000万円の預金を相続し、長年親子として暮らしてきたAさんは相続できない」という逆転にあります。

Aさんからすれば、「父にとっての家族」は自分と母親であるという感覚が強くあります。病院の送り迎えも、入退院の手続きも、毎月の通院費の管理も、すべて自分がやってきた。にもかかわらず、法律上はその貢献は一切評価されず、“認知された別の子ども”にお金が渡っていく。

感情的には、これほど納得しがたい状況はありません。

しかし、法律的には極めてスッキリした結論です。

認知されたBさん:法律上の子 → 相続人

認知されていないAさん:法律上の子ではない → 相続人ではない

相続法の世界では、「誰がどれだけ世話をしたか」「誰とどれだけ仲が良かったか」といった要素は、原則として考慮されません。あくまで、戸籍の記録と遺言の内容に基づいて機械的に判断されます。ここに、“人間の感情”と“法の論理”の大きなギャップがあります。

税理士として現場を見ていると、「理屈はわかるが、心が追いつかない」という場面に何度も出会います。

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