「計画通りに進まない」「想定外のトラブル」 コーヒーの専門家が産地で見た"驚きの光景"

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自分で栽培してカフェ運営まで実施

世界のビジネスエリートが身につけている コーヒーの教養
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またエクアドルでは、グアテマラやキューバのように、国としてコーヒーを管理する動きは乏しいです。つまり、国からのコーヒーセクターに対する大きな支援というものがない状態なのがエクアドル。そんなエクアドルのコーヒーサプライチェーンがどうなっているかというと、他国で見られるような、生産者ー加工業者ー輸出業者といった形態ではありません。

そうではなく、生産者が加工業者にもなり、輸出業者にもなったりします。つまり、自分で栽培して、自分で輸出してしまうというユニークなコーヒーサプライチェーンが形成されています。しかも、彼らは、自分たちで焙煎し、カフェを運営し、販売も自分たちで行うことが多くあります。

その国のメンタリティやコーヒーセクターに対する国の対応の違いによって、いろいろな変化がある中、その変化をモノともせずに柔軟に対応しているのが産地で暮らす人々だったりします。

好奇心を持って相手の文脈を理解しようとすること。良い意味で期待値を下げながらも、感受性豊かに関わり続けること。専門外の領域にも関心を広げること。コーヒー産地での経験が教えてくれたこれらのマインドセットは、グローバル化が進む現代のビジネスシーンにおいて、ますます重要になっていくはずです。

山本 博文 株式会社坂ノ途中 事業開発責任者

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海ノ向こうコーヒー事業部所属。2013年から2年間、フィリピンのベンゲット州立大学に留学し、アグロフォレストリー研究所(Institute of Highland Farming Systems and Agroforestry)でコーヒー栽培について研究。現地NGO「コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)」と協力し、農家への栽培指導や植林活動を行う。帰国後はコーヒー生産技術の専門家として東ティモールやミャンマーでコーヒー生産向上事業に従事した後、2020年より現職。 コーヒー生豆商社としての活動だけでなく、生産地への訪問や技術指導を通してフェアトレードや環境保護など持続可能なコーヒー生産のための事業を複数立ち上げるなど、業界の第一線で活躍。 アジアを含む世界各国のコーヒー産地と日本市場をつなぐ活動を行っている。

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