「計画通りに進まない」「想定外のトラブル」 コーヒーの専門家が産地で見た"驚きの光景"

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彼らが話す言語を学び、料理の作り方を教えてもらい、家族構成や結婚式の様式についてヒアリングする。こうしたコーヒー以外の領域への関心が、徐々に彼らの中心にあるものを理解させてくれました。そして、そこで得た信頼関係が、コーヒービジネスを前に進める原動力となりました。

これは、あらゆるビジネスに共通する本質ではないでしょうか。自分の専門領域だけに閉じこもらず、相手の文脈、相手が大切にしているものに敬意を持って関心を寄せる。そうした姿勢が、結果的に本業での成果につながっていきます。

不確実性の時代に必要なのは「予想外を楽しむ力」

今回グアテマラ ー キューバ ー ガラパゴス ー エクアドル ー コロンビアを渡航していますが、それぞれの国でいろいろな学びがありました。

グアテマラでは、ミーティングが予想以上に長くなります。それは、みんなが発言しないと気が済まない性格だから。通常ならば、要点を伝え、方向性を提案し、議論し、結論に至るというのがミーティングの主な機能ですが、グアテマラではそうはいきません。生産者組合の方々と話していても、同じ話を何度もして、自分たちそれぞれが同じ内容を話すことによって、理解を深め、自分ごととして捉えているようです。

キューバでは、国の政治形態が資本主義とは異なるため、いろいろと違ってきます。コーヒーは国の管理下にあるため、通常国内マーケットで販売はされません。毎月の配給であったりなかったりするようです。

ではカフェを運営している人たちはそんな不安定な供給の中どうしているかというと、キューバ産のコーヒーは使用していないことがほとんどです。代わりに彼らはコロンビアのコーヒーを使用したりしています。国内供給が不安定な国でも彼らはコーヒー屋さんとして常に安定させるために、様々な国からコーヒーを調達するようにしています。

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