地銀が悲鳴を上げる「外国人対応」 セブン銀ATMが狙う"総取り"インフラ構想
結局、就労外国人の大半はゆうちょ銀行で口座を開く。全国津々浦々に窓口があり、外国人を門前払いしない郵便局に人が集まる。ただ、手続きは長い。監理団体の職員が外国人労働者に付き添い、申込書の記入を手伝いながら窓口を通過するまで、1時間以上かかることも珍しくない。
金融庁も手をこまねいてはいない。銀行への監督指針で、外国人にもきちんとサービスを届けるよう求め、多言語の説明資料や翻訳機の設置を促した。しかし、人手もノウハウも足りない地域金融機関には荷が重い。外国人対応を避ける銀行が増えれば増えるほど、郵便局の窓口に負荷が集中する。
ATMで口座が作れる
この状況に風穴を開けようとしているのがセブン銀行だ。2001年、「コンビニATM」という新業態で開業した同社は、セブン-イレブンを中心に全国約2万8000台のATMを展開する。駅や空港、ショッピングモールにも置かれ、1日約250万人が使う。2024年末、同社はこのATM網で外国人向けの口座開設を始めた。
仕組みはシンプルだ。ATMに在留カードを差し込むと、ICチップから名前や住所、国籍を読み取る。利用者が入力するのは最低限の項目だけ。画面は12言語に対応しており、母国語のまま手続きを終えられる。
通常、入国から6カ月未満の外国人は「非居住者」扱いで、作れる口座に制限がかかる。セブン銀行は在留カードのIC情報で滞在期間を確認し、入国直後でも通常口座を開けるようにした。届くキャッシュカードにはJCBデビット機能が付く。クレジットカードを持てない外国人でも、これでキャッシュレス決済が使える。



















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