小学生で英検準1級でも"受験で通用しない"?早期取得ブームで競争加速も、まさかの落とし穴
一方で、英検の早期取得が生む影響は必ずしもプラスばかりではありません。まず一番に注意すべきは、早く挑戦させることで失敗体験を重ね、子どもを英語嫌いにしてしまうリスクです。
実際に、英語塾の現場を取材すると、「小3で4級に落ちて以来、英語が苦手になった」「親にリベンジを迫られて、英語そのものが嫌いになった」といった声を頻繁に聞きます。
中高生になって入試が近づいたとき、この“苦手意識”が深い溝となって学習の妨げになります。どの入試でも英語が中核科目であるにもかかわらず、「どうせ自分は英語ができない」という思い込みが、必要な基礎練習すら避ける姿勢につながってしまうのです。本来ならば早く始めたことが有利に働くはずなのに、焦って資格を取らせようとすることで逆効果になり得る点は見逃せません。
早期化の“見えにくい副作用”
さらに深刻なのが、「ダブル・リミテッド(Double Limited)」と呼ばれる問題です。これは、母語(日本語)と外国語(英語)のいずれもが中途半端な状態で発達してしまう現象を指します。
概念を理解するためには、まず母語の語彙力と論理力が不可欠ですが、その基盤が育ちきらないうちに英語を詰め込みすぎると、表面的な単語対応だけを覚え、内容の理解がともなわないケースが増えてしまいます。これについては『令和の受験親のフツウ』の漫画のワンシーンをご覧ください。
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