自分がいなくなったら…。余命わずかな夫「飼い犬の今後」を考え選んだ「預け先」とは――高齢夫婦とペットとの新しい暮らし方

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そんなとき、中日新聞でペット後見互助会とものわの設立の記事を見つけ、夫婦で説明会に参加されたのが当団体との出会いです。その場でしつけ教室の存在などの活動も知り、獣医師やトレーナーなどの専門家が関わっている当団体に安心感を抱いたとのことでした。

ただ、当時はまだ「ペット後見互助会とものわ」は設立間もなく、会員がゼロの状態でした。そうした状況についても当団体から武冨さんにお話しし、「一緒にこの仕組みを作っていってほしい」ということをお願いしました。

小島弁護士にも随時相談しながら数カ月間相談を重ね、武冨さんの不安を1つずつ解消していきました。このようなやり取りのなか、「ここであれば、もしもの時にもこの子は守られる」という安心感から、当団体とのペット後見の契約を決められました。第1号の契約者でした。

武冨さんには、リキを子どもたちに託す選択肢もありました。実際、子どもたちも帰省時にはリキを可愛がっていたことや、一戸建てに住んでいることから、いざとなれば頼れるのではとも思っていたそうです。

しかし、孫が成長し、犬のお世話をお願いできる雰囲気ではなくなってきたことや、子どもたちの家庭で猫を飼いはじめたこともあり、犬との同居は難しいと判断されました。

そのため、ご夫婦は「リキのことは自分たちで何とかしなければ」と強く感じるようになったといいます。

リキの様子を伝える手紙が心の支えに

ご主人は医師から余命3年半と告げられながらも、実際には約8年間にわたり病と闘い続けました。亡くなる直前までリキとともに過ごすことができたことを、とても幸せに思われていたようです。

病状が悪化し入院されてからは、コロナ禍により面会が難しく、奥様は毎日リキの様子を手紙に書いて看護師さんに託し、ご主人に届けてもらっていました。ご主人は、その手紙を看護師さんに読んでもらうのを心待ちにされていたとのことです。

退院が難しいことを自覚されていたなかでも、リキの様子を知ることが日々の希望となり、心の支えになっていたのだと思われます。

生前、ご主人は「ペット後見の契約をしたことで、後顧の憂いなく余生を送ることができるようになった」と語られていたそうです。

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