「インフレで国の借金比率が下がるならいいこと」と感じるかもしれない。だが、現実はより厄介だ。ここで登場するのが、第2のキーワード「財政ポピュリズム」だ。
自民党が少数与党である中、高市政権は国民受けのする大規模財政出動を企図。防衛費増額に加え、物価高対策や設備投資助成を軸とする18兆円規模の補正予算を策定した。これだけで新規国債発行は11兆円。さらにはガソリン税の暫定税率廃止や所得控除拡大も計画し、財政負担は膨らむ一方だ。
これはインフレ税の活用といっていい。税収と名目GDPが増え、公的債務残高比率の悪化を抑えつつ歳出拡大や減税が続けられるからだ。国債発行を増やしながら「責任ある積極財政だ」と強弁する高市政権の意図はここにある。
安易な財源と国土防衛という大義名分とが合体すると、防衛費の増加には抑制が利きにくい。一度積み上げられた予算は簡単には削れず、先々ではほかの歳出にシワ寄せが及ぶ局面も懸念される。
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