Uberが楽天と組んだ理由は1億IDへの接点確保 GOに大差をつけられた日本の配車市場で、地味な「ポイント連携」から巻き返しを狙う
米Uberのダラ・コスロシャヒCEOが、楽天グループの三木谷浩史会長兼社長と並んでステージに立った。12月9日、グランドプリンスホテル新高輪。背景には黒いタクシー車両と楽天の「お買いものパンダ」。グローバル企業のトップがわざわざ来日しての会見である。
ところが、発表された中身を聞いて拍子抜けした。「UberとUber Eatsで楽天ポイントが貯まります」。要約すればこれだけだ。
楽天IDを連携すると、200円(税抜)につき1ポイントが付く。楽天ペイ決済と組み合わせれば最大2%還元、Uber One会員なら乗車料金の10%相当がクレジットで戻ってくる。
記念キャンペーンは12月12日から22日まで実施され、最大1000ポイントを進呈する。楽天モバイル契約者にはポイント20倍、Uber One年間プランの70%オフといった特典も用意された。
三木谷氏も山中志郎Uber Japan代表も、質疑応答で「これは第一歩」と繰り返した。Rakuten AIを使った新サービス開発、楽天ぐるなびとの連携、ポイントをUberアプリ内で使えるようにする構想など、将来の展開については語られたものの、具体的な時期や内容は明らかにされなかった。現時点でユーザーが得られる恩恵は、ポイント付与が中心となる。
GOに大差をつけられた配車アプリ3番手
Uberがこのタイミングで楽天と手を組んだ背景には、日本の配車アプリ市場における同社の立ち位置がある。



















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