Uberが楽天と組んだ理由は1億IDへの接点確保 GOに大差をつけられた日本の配車市場で、地味な「ポイント連携」から巻き返しを狙う
ICT総研の調査によると、2024年末時点のタクシー配車アプリ利用者は約1664万人。利用率は20.4%で、8割の人はまだ使ったことがない。利用者数の順位はGOが首位、2位DiDi、3位Uber Taxi、4位S.RIDE。MM総研の調査ではGOの利用率は東京都で70%、愛知県で68%に達し、2位以下を30ポイント以上引き離している。
Uber Taxiの顧客満足度は72.8ポイントで、GO、DiDi、Uber Taxi、S.RIDEの上位4サービスでは最も高い。利用者の評価は良いが、利用者数ではGOに及ばない状況が続いている。
山中代表は発表会で「日本は他国と比べて配車アプリの利用率が低い。成長余地は大きい」と述べた。市場全体の成長余地は確かにあるが、その成長をUberが取り込めるかどうかは、競争環境次第となる。
Uber Taxiの提供エリアは2025年1月時点で18都道府県だった。それが1年で急拡大し、12月15日には47都道府県すべてで使えるようになる。提携タクシー会社は約1000社、3年連続で前年比2倍ペースの成長だという。電脳交通のクラウド型配車システム「DS」との連携が、この急拡大を支えた。
エリア拡大は着実に進んでいる。課題は、広がったエリアでいかにユーザーを獲得するかだ。
楽天の1億ID、Uberにとっての戦略的価値
楽天との提携が持つ意味はここにある。楽天グループの会員IDは1億以上、楽天ポイントの累計発行額は5兆ポイント(5兆円相当)を突破した。楽天の調べでは、ユーザーがメインで使う経済圏の数は「2つ」が29.8%、「1つ」が21.7%。経済圏を絞り込む「寄せ活」が進んでいる。



















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