Uberが楽天と組んだ理由は1億IDへの接点確保 GOに大差をつけられた日本の配車市場で、地味な「ポイント連携」から巻き返しを狙う

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楽天ポイントをUberアプリ内で使えるようにすることも検討中だという。現時点ではポイントを「貯める」ことはできても「使う」ことはできない。この機能が実装されればユーザーの利便性は高まるが、時期は未定のままだ。

提携の評価と今後の展望

今回の発表内容はポイント連携が中心だ。決済手段を問わず楽天ポイントが付与される配車アプリはUberが初めてであり、差別化要素にはなる。ただし、これがユーザーの行動変容にどこまでつながるかは、今後の推移を見る必要がある。

両社トップが揃って登壇した背景には、戦略的な意図がある。Uberにとって日本市場は、配車アプリの普及率が低く成長余地がある一方、GOという強力な先行者が存在する。楽天との提携はこの競争環境を変えるための布石であり、経営トップの登壇によってその意思を内外に示した形だ。

シナジーの構図
両社が示したシナジーの構図。Uberのラストワンマイルと楽天の1億IDを組み合わせ、経済圏の拡大・深化を目指す(筆者撮影)

ポイント連携だけでGOとの差を縮められるかは不透明だ。配車アプリの選択基準は、配車までの時間、対応エリア、車両の質といった実用面が中心となる。ポイント還元がどこまで訴求力を持つかは、実際のユーザー動向で判断されることになる。

両社が繰り返し語った「第一歩」の先に何があるのか。Rakuten AIとの連携、楽天ぐるなびとの統合、ポイント利用機能の実装など、構想が具体化する段階で、この提携の真価が問われることになる。

連携画面
UberアプリとUber Eatsアプリに表示される楽天ポイント連携画面。12月9日から楽天IDとの連携が可能になった(筆者撮影)
石井 徹 モバイル・ITライター

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いしい とおる / Toru Ishii

1990年生まれ。神奈川県出身。専修大学法学部卒業。携帯電話専門媒体で記者としてのキャリアをスタート。フリーランス転身後、スマートフォン、AI、自動運転など最新テクノロジーの動向を幅広く取材している。Xアカウント:@ishiit_aroka

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