「timeleszになれなかった」が武器になるのはなぜ? 「挫折を隠さない」TAGRIGHT・西山智樹&前田大輔が視聴者の心を動かす"納得の理由"
2人は『タイプロ』で出会った。ともに5次審査で落選したが、ここが始まりとなった。
「自分たちのグループを作り、デビューしたい」
落選から半年。大手芸能事務所「ホリプロ」への所属を発表すると同時に、新プロジェクトを始動。「TAG SEARCH(タグサーチ)」と銘打ち、SNSで「#mytag」をつけてパフォーマンスをアップしている人や、「この人と一緒にやりたい」と感じた人、一人ひとりに自らコンタクトを取り、会いに行った。
大手事務所の看板があれば、オーディションを開催し、応募者が来るのを「待つ」スタンスでもよさそうに思える。しかし彼らは、自ら足を運び、50人以上の候補者と対面した。プロデューサーを立てず、楽曲制作も含め自らプロデュースしてグループを作り上げることを目指している。
ビジネスで言えば、自ら市場を開拓する「社内起業家(イントレプレナー)」の動きを想起させる。ホリプロの後ろ盾はあるが、そこに頼りすぎることはない。社外の人材(=メンバー候補)を探しながらも、社内(=ホリプロ)の中での信頼を獲得していこうという意欲も感じられる。
世界的振付師も動かした行動力
放送を見ていて、2人のスカウトから「ガチ度」をひしひしと感じた。
象徴的なのが、YUMEKI(ユメキ)の存在だ。ITZYやME:Iなど数々のヒット曲の振り付けを手掛け、日本から海を渡ってK-POP界で広く知られる26歳の振付師である。ダンサーとしての地位を築いていた彼だが、今年の夏韓国の大型オーディション番組『BOYS Ⅱ PLANET』に参加。ファイナリストに残りながらデビューを逃したことも記憶に新しい。
Huluの完全版では、西山・前田がYUMEKIの元を訪れ、直接思いを伝える様子が放送された。YUMEKIはプロジェクトの参加は断ったものの、「何かしらの形で協力したい」と伝えていた。
そして、「TAGRIGHT」には、西山・前田と同じく挫折を経験してきた実力者たちが名を連ねている。
カイリは韓国でK-POPアーティストとしてデビューを果たしたが、グループは解散。シオンは大手芸能事務所に所属しながら、デビュー目前でオーディション番組に脱落した。ジェイはプロテニスプレーヤーを目指して15カ国以上を遠征したが、世界の壁に阻まれ夢を断念。セイマは50以上のオーディションに挑戦し続け、タイプロでも2次審査で落選している。ダイゴはINIを生んだオーディション『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』で最終順位13位と惜しくもデビューを逃し、その後韓国でアイドル活動をするもグループは1年で解散した。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら