本来、タンポポはタンポポとして十分に美しいのに、「ヒマワリでないから価値がない」と言われ続けるのと同じです。これほど不毛なことはありません。
では、どうすれば子どもを比較せずに見られるのでしょうか。
一言でいえば「ありのままを見る」ことです。
しかし、これが実はとても難しいのです。なぜなら、私たち大人自身が「こうあるべき」という価値観や常識に縛られているからです。
「いい学校に入るべき」
「テストで高得点を取るべき」
「みんなと仲良くすべき」
こうした「べき論」は、子どもを一方向に押し込めてしまいます。そして「その枠に収まらなければいけない」と思い込むあまり、子どもの本来の個性を見失ってしまうのです。すると感情が出てきて、冷静に観察することは不可能になります。
親は、子ども自身の花を咲かせるサポートを
子育ての本質は、子どもが本来持っている“花”を、その子らしく咲かせることにあります。
タンポポにはタンポポのあり方があり、ヒマワリにはヒマワリのあり方があります。親ができるのは「タンポポにヒマワリを期待する」ことではなく、その子の持つDNA(長所)は何かを楽しみに、どんな“花”が咲くのかを心待ちにしつつ、芽が出やすく、根がしっかり張れる“土壌(環境)”を整えることです。
例えば、勉強よりも絵を描くことが好きな子がいるとします。親は「勉強しなさい」と言いたくなるでしょう。しかし、その子にとって絵を描くことは自己表現であり、心を解放する大切な行為です。
そこを認めて支えてあげれば、結果的に「学ぶ力」や「集中力」が後から自然と育ち、やがて勉強に向かい出すのです。これを中途半端にすると、好きなことに満足していないため、いつまでも勉強に向かうことはないのです。
子どもが「自分は自分でいい」と思えること、つまり自己肯定感を持つことは、生きていくうえでの大きな力になります。



















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