「心理的安全性」の意味をはき違えている【ぬるま湯のような職場】が陥りがちな"典型的な悪循環"

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「ぬるま湯」のようなチーム状態では生産性は上がらないという(写真:miyuki ogura/PIXTA)
パフォーマンスが高いチームのほうが、ミスの報告が多い――。ハーバード・ビジネス・スクールのエイミー・エドモンドソン教授の研究で得られた、この逆説的とも思える結果を理解するうえで、臨床心理士の佐藤映氏が指摘するのが職場における「心理的安全性」という概念です。
そんな佐藤氏が説く、生産性を上げるために必要な職場の「心理的安全性」とは本来どういったものなのでしょうか。同氏の著書『実務のあらゆる場面で活用できる 「人事」のための心理学』から一部を抜粋・編集する形で解説します。

仕事にやりがいを感じる人は少ない

自分の所属している会社にポジティブな印象を抱きながら、仕事にやりがいを感じ、生きる意味や達成感を感じて働くことができていたら、こんなに素晴らしいことはありません。

人々は人生の多くの時間を費やす仕事というものに対して夢を描いていますが、一方で現実をみて、諦めている人もたくさんいます。

SNSでは「会社のコマ」「社会の歯車」「社畜」といった言葉が並び、仕事は「やらされるもの」「飯を食うためにやらねばならないもの」「苦痛なもの」「ラクをするに越したことはない」といったイメージも広がってしまっているのではないでしょうか。

これは現在の日本の空気にも起因すると思いますが、実際、仕事にやりがいを感じているという人の割合は20%にも満たないと言われています。

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