「心理的安全性」の意味をはき違えている【ぬるま湯のような職場】が陥りがちな"典型的な悪循環"
1つめは「仕事の資源」と呼ばれる、仕事をするうえでのエネルギーにつながるようなさまざまな環境要素(裁量の大小や、適切なフィードバックの有無、周囲のサポートの有無、評価の納得性など)。
2つめが「個人の資源」と呼ばれる、仕事のエネルギーにつながる個人の価値観などの要素(楽観性や自己効力感、ストレスからの回復力など)。
そして3つめが「仕事要求度」と呼ばれる、仕事で身体的・精神的に要求される負担や負荷(物理的負荷やプレッシャー、事故のリスク、要求水準や給与、労働条件など)です。
これら3つの要素を適正に循環させ、ワーク・エンゲージメントを高めることで、個人や組織にとってより良いアウトカム(パフォーマンスや生産性、役割外行動の促進、組織への愛着(組織コミットメント)の向上など)が促進されます。
ワーク・エンゲージメントの理論は、負担軽減やリスクマネジメントを中心とした消極的なメンタルヘルス対策ではなく、新しいポジティブなメンタルヘルスの流れのなかで生まれてきた、積極的な対策に関わる概念です。
2つのエンゲージメントの「共通点」と「相違点」
従業員エンゲージメント(エンプロイー・エンゲージメント)については、研究者によって定義がまちまちなのですが、ざっくり言うと会社や組織、チームへの帰属意識や貢献欲求など「会社組織とポジティブにつながっている状態」とされています。
似たような概念に、組織コミットメントや、組織市民行動などがあります。
従業員エンゲージメントは、自分が会社のなかで役割があると認識し、気持ち的にも会社に居場所を感じ、身体的(物理的)にもそこに存在し続けようとする力学のようなものだと考えられます。
「会社や仕事に対して自分を結びつけようとすること」です。
従業員エンゲージメントが高いことは、個人レベルのポジティブな効果(仕事の質や経験の向上)はもちろん、組織レベルの成長や生産性にもつながります。他にも、キャリア開発機会の提供、良質なリーダーシップ、エンパワーメント、企業イメージなどが関連するとされています。


















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