NTT、補聴器より手軽なオープンイヤー型集音器を発表。国内1430万人が抱える"聞こえづらさ"に気付きを促す新提案

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販売予定価格は3万9600円(税込み)。テレビ視聴用のワイヤレストランスミッター「cocoe Link」(1万500円)や専用アプリ「cocoe Connect」も同時展開する。

cocoe Link
テレビ視聴用のワイヤレストランスミッター「cocoe Link」(筆者撮影)

2年で10万台、30億円を目指す

NTTソノリティの坂井博社長は「オープンイヤーと集音を掛け合わせた新カテゴリーへの挑戦」と話す。55歳以上の5人に1人が耳に悩みを抱えるとの推計がある。オープンイヤー型イヤホン市場は前年比154%と伸びている。両者が重なるところを狙った。

国内集音器市場は約300万台規模。NTTソノリティは2年で10万台、売上高30億円を掲げる。坂井社長は「オープンイヤーの集音器、価値は高い」と手応えを語った。

まずは2025年12月23日、クラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING」でプロジェクトを始める。最大30%オフのリターンを用意し、利用者の声を集めながら2026年春の全国販売につなげる算段だ。

NTTドコモとも組んだ。12月3日から31日まで、ドコモショップ丸の内店、札幌店、六本松店の3店舗で試験導入する。聞こえに不安を感じる来店客が、スタッフとの会話でcocoe Earを試せる。

cocoe Ear
会場に展示されたcocoe Ear。ホワイト、ベージュ、ブラックの3色展開(筆者撮影)

競合はひしめく。ショップジャパン「楽ちんヒアリング」は実売約1万円と手頃。オーディオテクニカ「MIMIO」は4万9500円のイヤホン型集音器。AppleはAirPods Pro 2以降で補聴器認証を取り、最新のPro 3は3万9800円だ。

cocoe Earは3万9600円。AirPods Pro 3とほぼ同じ値段だ。安い集音器と高いイヤホンの間に、「オープンイヤー型」で割って入る。

聞こえづらさは、年を重ねれば誰にでも起こりうる。補聴器に手を伸ばす前に使える、気軽な選択肢はあるか。NTTソノリティの答えがcocoe Earだ。「補聴器を選ばない」1430万人に届くかどうか。勝負はこれからだ。

石井 徹 モバイル・ITライター

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いしい とおる / Toru Ishii

1990年生まれ。神奈川県出身。専修大学法学部卒業。携帯電話専門媒体で記者としてのキャリアをスタート。フリーランス転身後、スマートフォン、AI、自動運転など最新テクノロジーの動向を幅広く取材している。Xアカウント:@ishiit_aroka

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