「ある心情」が非合理な投資の判断を生む…一方、決して市場を去らずに利益を積み上げるお金持ちが判断のよりどころにしていることとは

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家のソファーでスマホを見るミドル女性
お金持ちが結局、投資に成功する核心的理由(写真:EKAKI/PIXTA)
正しい判断はAなのに、なぜかBを選んでしまう。それは失敗を認めたくないから……。
人間の心理にひそむ、「お金を失うことへの耐えられなさ」が、株式投資の判断をかき乱す。
なぜ人は、判断を誤って市場を去るのか。そしてなぜ富裕層だけは市場に踏みとどまり、最後には利益を得ているのか。
現役投資アナリストとして数々の富裕層と接してきた執筆者が、その著書『投資家の母が20歳になった娘にどうしても伝えたいお金の話』の中で、人が、非合理な投資傾向「ディスポジション効果」におちいる理由を解説する。

そもそも「損」を想定していない

投資家の母が20歳になった娘にどうしても伝えたいお金の話: 好きなことで生きて、一生困らず自由でいるために
『投資家の母が20歳になった娘にどうしても伝えたいお金の話: 好きなことで生きて、一生困らず自由でいるために』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

わたしたちは株や不動産に投資するとき、「お金を稼ぐ」ことだけを考えがちだ。投資によって「お金を失うかもしれない」とは考えない。

だから、投資で損をするとショックを受ける。投資した金額が大きいほど、胸が苦しくなり、なにも手につかなくなる。でも、1カ月だけ待てば、いや2カ月待てば、状況がよくなって失ったお金を取り返せるのではないかと考える。だけど、いくら待っても株価が上がる兆しがないと、だんだん絶望感に襲われる。

そうやって半年ほど不安な日々を過ごしていると、元本だけでも取り戻したいという気持ちがわいてくる。だから、元の値段まで戻るやいなや株を売って、やれやれと首を横にふり、こうつぶやく。「もう二度と投資なんかするもんか」。

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