常識的に考えれば、利益が出た半導体企業の株を残して、損失が出たバイオ企業の株を売るのが正解だ。
ところが実際には、相場が上がった株を売って、下がった株を持ち続ける人が多い。
なぜなら、Bを売った瞬間に3万7000円の損失が確定してしまうのが怖くて、それを避けようとするからだ。このように、利益が出た株はすぐに売ってしまうのに、損失が出た株は手放せないことを「ディスポジション効果」という。
「損失の回避」効果で失敗をしない方法
損失が出た株を残しておき、買いつけ価格まで相場が回復したとたんに売ってしまう人は多いという。これでは、神経をすり減らしながら長いあいだ持ち続けたのに、少しも儲けを得られない。このような矛盾を避けるには、どうすればいいだろうか。幸い、2つの方法がある。
まず1つめは、当たり前だけれど、安く買うことだ。プロの投資家は、どんな銘柄であっても、必ず安く買うのが重要だと口を揃える。高く買ってしまうと、そのぶん心理的なコントロールが難しくなるからだ。
高いお金を払ったせいで焦りや不安を感じやすく、そうなるとすべて手放したくなる可能性があるからだ。
また、みんながいいと言っている株は、買わないほうがいいとも言われている。
ほかの人がおすすめするような銘柄は、すでに市場で高評価されて相場が上がっている確率が高いからだ。つまり、高く買うことになって、結局は損失につながりやすい。
だから、買いたい銘柄があったら、1、2カ月は勉強してから複数に分けて投資する「分散投資」をおすすめする。
2つ目は、うまく損切りをすることだ。
2022年に韓国のハナ銀行のハナ金融経営研究所が、韓国の富裕層の金融資産形態を分析し、その結果をまとめたレポートがある。それによると、金融財産が10億ウォン(約1億円)以上の富裕層は、相場が15%下落すると、損切りをしていることが明らかになった。



















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