「あなたが"真ん中のコース"を選ぶのは偶然ではない」→レストランの松竹梅に仕掛けられた《脳が抗えない値付けのトリック》

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

アンカリング効果を活かした価格戦略には、3つのメリットがあります。

①売上・客単価の向上

アンカリングにより、「高すぎない中価格帯」や「高級カテゴリー」などへの誘導がスムーズになり、平均単価が上がります。

②ブランド価値向上

高めのアンカーを設定することで、全体的なブランドイメージが「安っぽくない」という印象を持たれやすくなります。

③顧客の満足度が上がりやすい

「お得に感じる」「よいものを安く手に入れた感覚」が顧客満足度を高め、リピート購入を促進します。

むやみに価格を上げるのではなくターゲット層を意識する

一方で、価格戦略を活用するには次の3つの注意点もあります。

ザ・ニューロマーケティング 最新の科学が暴いた消費者の「買いたい」を行動につなげるビジネス戦略
『ザ・ニューロマーケティング 最新の科学が暴いた消費者の「買いたい」を行動につなげるビジネス戦略』(KADOKAWA)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

①過度なアンカーを設定しない

極端に高すぎる価格をアンカーとして設定すると、「この店はボッタクリかも」「現実離れしている」と不信感を与える可能性があります。

②客層と一致させる

ターゲット顧客が若者中心の場合、アンカーが高すぎると逆に敬遠されます。適切な市場調査と消費者分析が必要です。

③透明性・誠実性を保つ

値札の二重表示(架空の定価を高めに設定するなど)を頻繁に行うと、顧客が「いつもセール価格が正規価格」と捉え、ブランドの信頼を失うリスクがあります。

遠藤 貴則 法廷臨床心理学博士、国際ニューロマーケティングトレーナー

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

えんどう たかのり / Takanori Endo

1985年、東京都文京区生まれ。神奈川県横浜市のサン・モール・インターナショナル・スクールの高校を卒業。2006年、米国オレゴン州ルイス&クラーク大学にて心理学専攻及び中国語を副専攻で大学卒業。2008年、米国フロリダ州アルビズ大学大学院にて心理学修士課程修了。2013年、同大学院臨床心理学博士号、法廷特化で修了。のち、オレゴン州にて臨床心理学士の国家治療免状を取得。マイアミ市警、FBI、CIAの調査支援を行った実績を持つ。2017年、薬物依存人口を減らした功績を称えられ、フロリダ州ジュピター市より表彰される。現在は、実践的ビジネスサイエンス、実践的心理学、脳科学的教育、ニューロマーケティングの普及、後進の育成に努める。著書に『売れるまでの時間―残り39秒 脳が断れない「無敵のセールスシステム」』(きずな出版)、共著に『仕事の教科書』(徳間書店)がある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事