「あなたが"真ん中のコース"を選ぶのは偶然ではない」→レストランの松竹梅に仕掛けられた《脳が抗えない値付けのトリック》
レストランのメニューを例に取り、アンカリング効果や心理的価格帯が世の中でどのように実践されているかを見ていきましょう。
①高価格メニューを先頭に配置
多くのレストランでは、高級コースやシェフ特選コースをメニューの冒頭に置いています。これにより、後で出てくる中価格帯コースが、相対的に「安く見える」 効果を狙っています。
実際には、中価格帯コースの利益率が最も大きい場合も多くあります。しかし消費者は「一番高いのは贅沢すぎるけど、安いコースでは寂しい」と思って中間を選ぶケースが増えるのです。
Aコース:1万2000円(フルコース・希少食材使用)
Bコース:8000円(スタンダードコース)
Cコース:5000円(ライトコース)
→多くの人はBコースを選び、「高すぎない範囲で贅沢できる」と感じます。
②特別メニューや期間限定メニュー
レストランでは、期間限定メニューやシーズナル(季節限定)メニューをあえて高めの価格帯で設定することがあります。アンカリング効果に加え、「今だけしか食べられない」という希少性が加わり、消費者が納得して購入しやすくなるのです。
シーズン限定コース1万円
通常コースが8000円だとしても、「季節の最高の食材を使っている」というストーリーで2000円高いコースを提示できます。結果として、限定コースを頼む客と、8000円の通常コースを頼む客がバランスよく生まれ、客単価が上昇します。
知られていない「メニューの表記テクニック」
「アンカリング効果」と「心理的価格帯」を活用するにあたり、メニューの表記にもいくつかのテクニックがあります。主なものを3つ見ていきましょう。
①「,」や「¥」などの記号を省略
たとえば、「¥1000」よりも「1000」と書いたほうが、数字の印象が柔らかくなり、割安に感じるという研究結果があります。
②コスト表記より価値訴求
メニュー名や説明文に素材の希少性や手間暇を強調し、「安さ」を強調しなくても「なるほど、だからこの価格なんだ」と理解されやすくなります。
③視覚的デザイン
メニューの順番、価格表記のスタイル、写真や説明文の配置を最適化することで、顧客の注目を集め、価値を効果的に伝えることができます。



















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