しかし、多くの人々はSNS上で拡散された切り抜き動画だけを目にして、「また非モテ男性を笑いのネタにするような番組をやっている」との印象だけを強くした。
また、その動画では、別室のモニターで合コン会場で右往左往する男性を笑っているコーチやタレントの姿があったことから、それも怒りを買う大きな理由になった。
つまり、番組を第1話から視聴(あるいは問題の動画のフルバージョンを視聴)して論評するというより、切り抜き動画が独り歩きすることで悪質な番組というイメージが先行したのである。近年、「恋愛強者/恋愛弱者」「モテ/非モテ」などの構図に人々が過敏になっていることも後押ししたといえる。
けれども、番組全体の構成を眺めてみると、切り抜き動画にあった合コン総スカン事件は、それほど重要ではないことが明確になってくる。要するに、『男磨きハウス』の中心にあるコンセプトは「弱さを燃やせ」のフレーズにあるとおり、今の自分を変えたいという積極的な自己啓発の考え方だからだ。
番組の説明に「人生を本気で変えたいと願う5人の男性が、ひとつ屋根の下で共同生活を送り、さまざまなミッションを乗り越えながら自分を磨いていく様子を描くリアリティーショー」とあるとおり、リアリティー番組の名を借りた公開型の自己啓発プログラムなのである。
「自分を変えたい」ジョージのファンたち
5人の出演者は、東大卒26歳の会社員から、社会人経験のない38歳・実家暮らしYouTuberまで幅広いが、皆口をそろえて「自分を変えたい」という。



















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