しかし、コロナであらゆることが制限されているなかで、唯一ミスコンだけが人見知りを克服するチャンスに見えた。
「ミスコンに出ることを友達に話したら『えええ!?』って驚かれるぐらい、私にとってミスコンは縁遠いものだったんです。でも、『自分を変えるにはこれしかない』って自分に言い聞かせて、応募期限ギリギリで覚悟を決めてエントリーしました」
出だしで後れをとるも、本人は「気落ちしていなかった」
選考を突破し、無事にファイナリストになれた松本さんだったが、コロナ禍ということもあり、対面活動は数えるほど。基本的にはSNSやLIVE配信が中心になった。
しかし、それらの経験がなかった松本さんは、かなりの苦戦を強いられた。
「本当に人見知りだったので、LIVE配信を見に来てくださった方ともうまくコミュニケーションが取れなかったですし、SNSでいただいたコメントにもどう返信していいかわからなかったです」
加えて、交友関係が広くなかった松本さんは、いわゆる「友達票」も少なく、活動開始時点ではSNSのフォロワー数などで他の候補者に差をつけられていた。
苦しいスタートとなったミスコンだが、当の本人は意外にも「まったく気落ちしていなかった」という。
「ミスコンには人見知りを直すために出場したので、正直、結果にこだわるつもりはありませんでした。けれど、いざ自分が他のファイナリストよりも劣っている現実を突き付けられたときに、単純に『悔しい』って思ったんです」
大学に入るまで誰かと競う経験をしてこなかった松本さんにとって、ミスコンは人生で初めての“競う環境”だった。その環境に置かれてはじめて、松本さんは「自分が負けず嫌いである」という事実に気づいたという。



















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