「おっさん、痴漢したよね」無実の男性を痴漢冤罪で陥れた22歳女性が背負わされた"前科" 『子供部屋同盟』3章③

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直人は電話をかけようとしている従業員の腕にしがみつく。

「すみません、私が悪かったです。罰金は払います。どうか警察だけは勘弁してもらえませんか……」

男は蔑むような瞳でこちらを見る。

「どのお客さんも、決まり文句みたいにそう言うんだよね。あんた会社員? 家族もいるの? 警察沙汰になったら、ぜんぶめちゃくちゃになるからね」

「どうか勘弁してください……」

「俺じゃなくて、謝るべき人物がいるでしょ。女の子は傷ついてるんですよ?」

清美はベッドに腰かけて足を組み、不味そうに煙草を吸っている。

屈辱の謝罪

私が謝る? 私の人生をめちゃくちゃにした女に、私が謝る──?

「ど、ど、ど、どうも、すみませんでした」

直人は清美のほうを向いて、上ずった声でかろうじてそう口にした。

清美は頬をすぼめて煙草の煙を吐く。

「おっさん、謝るときは頭下げるもんだろ。土下座して謝んなよ」

直人は両膝を折り曲げて、額を床につけた。手や膝下は細かく震え、全身から熱いような冷たいような汗が止めどなく溢れてくる。

「どうもすみませんでした」

カシャ、カシャ、とシャッター音が頭上から聞こえて顔を上げると、清美は薄い唇の口角を持ち上げて、ニヤニヤしながらスマホで写真を撮っていた。

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