課長絶句・・・「雑用はやりません」「庶務の人に任せるべきです」 忘年会幹事を断った《1年目の新入社員》のまさかの"言い分"

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

さらに、リソースの調整も学べる。リソースとは次の5つだ。

・人
・物
・金
・情報
・時間

幹事をやれば、これらすべてのリソースをどう配分するかを考えなければならない。予算(金)をどう使うか。誰(人)に協力してもらうか。どんな情報を事前に集めるか。いつまでに(時間)何を終わらせるか。

これらを実践的に学べる機会が、幹事なのである。

上司は新入社員にこう伝えるべき

それでは、冒頭の課長はKくんにどう答えるべきだったのか。私なら次のように伝える。

「確かに君が言うように、幹事は営業成績に直結しないかもしれない。しかし、将来マネジャーになったとき、君は複数のプロジェクトを同時に回さなければならなくなる。そのときに必要なのが『ダンドリ力』だ。優先順位を決め、手順を守り、リソースを調整する。これらのスキルを、幹事を通じて実践的に学べるんだ」

幹事を『雑用』だと思っている限り、視野は狭いまま。周りを巻き込んで成果を出すには、ダンドリ力が欠かせない、と言ってもいいだろう、

ダンドリ力は、業種や職種を問わず使える「ポータブルスキル」だ。営業でも、企画でも、製造でも、エンジニアでも必要になる。転職しても、独立しても使える。一生モノのスキルなのである。

だからこそ、若いうちから意識的に鍛えておくべきだ。幹事はそのための絶好の機会である。先輩コンサルタントから「若いときから積極的に幹事を引き受けろ」と言われたのも、このためだ。

もちろん、最初からうまくできる必要はない。失敗してもいい。大事なのは、ダンドリを意識しながら取り組むことだ。そうすれば、確実に力がつく。

忘年会シーズンが近づいている。新入社員に幹事を任せるチャンスだ。もし「雑用だから嫌です」と言われたら、この記事の内容を伝えてほしい。幹事こそが、将来のマネジャー候補を育てる最良の機会なのだから。

横山 信弘 アタックス・セールス・アソシエイツ 代表取締役社長

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

よこやま・のぶひろ / Nobuhiro Yokoyama

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。『絶対達成マインドのつくり方』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。近著に『トップコンサルタントの「戦略的」勉強法』。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事