「させていただきます」はなぜダメ? 年末年始の挨拶メールでやりがちな "盛りすぎ敬語"ワースト5
確かに恩恵の念は表せますが、主語の取り違えには注意が必要。動作の主は「上田様」ですが、「届けていただいた」の主語は「私」です。
「いただく」のままでわかりにくければ、敬語化する前の元の言葉「もらう」で考えてみましょう。
「私が上田様に書類を届けてもらった」わけで、「上田様が誰かに書類を届けてもらった」のではありません。
「(私が)上田様に書類を届けてもらい」を敬語化すると、「(私が)上田様にお届けいただき」と表せます。
また、「上田様が書類をお届けくださり(届けてくださり)」と表すこともできます。尊敬語「くださる」の元の言葉は「くれる」。この場合には、動作の主も、主語も「上田様」になる点が、「いただく」の用法との違いです。
●「元の言葉」→「敬語」(敬語の種類)
「……が……てくれる」→「くださる」(尊敬語)
「……に……てもらう」→「いただく」(謙譲語)
気持ちは盛っても敬語は盛らずに!
「お/ご……していただく」は、典型的な誤用です。「して」をつけずに「ご支援いただき」としましょう。
「お/ご……してくださる」もよく使われますが、同様に誤りです。「して」をつけずに、「ご支援くださり」とします。
年末年始の多忙な時期は、うっかり失礼な表現になるより、丁寧すぎるほうがまし、とばかり盛りすぎ敬語になりがちです。しかし、敬語の誤用や盛りすぎは、かえって失礼。気持ちは盛っても敬語は盛らず、ほどよい敬語を心がけたいものです。
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