「ロマンありすぎ」「中島みゆきが歌ってた」 計画に遅れも…《黒部宇奈月キャニオンルート》早ければ2026年に一般開放! いったい何がすごい?

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14年には、同じ木村大作監督によって映画『春を背負って』が制作されました。笹本稜平氏による原作の舞台は埼玉県の奥秩父でしたが、大自然の絵力を前面に描くために、立山連峰の山小屋での撮影を決行したとのことです。

聖地巡礼
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そして、12年公開のアニメーション映画『おおかみこどもの雨と雪』では、アルペンルートの観光名所の1つ、日本一の落差を誇る滝「称名滝」や、ラストシーンではそそり立つ岩壁である「悪城の壁(あくしろのかべ)」の絶景が登場します。

また、東京から移住した家族が暮らす古民家は、上市町にある実在の家をモデルとしており、映画公開後は「花の家」と呼ばれて多くの聖地巡礼ファンが訪れています。富山地方鉄道の上市駅からは、歩いて40分ほどで行くことができます(時節柄、熊にはご注意ください)。

この上市町は、『剱岳 点の記』でも登山隊の入口として描かれました。そびえ立つ厳しい山容を目の当たりにすることができます。

悪城の壁
「恐ろしくて人を引き寄せない」という意味からその名がついたという「悪城の壁」。高さは約500m、幅は約2km、一枚岩盤としては日本一の規模を誇ります(写真:sorairo/PIXTA)

「立山黒部アルペンルート」にはストーリーがある

立山黒部アルペンルートは単なる観光ルートではなく、『黒部の太陽』で描かれた世紀の大工事の末に開通した黒部ダムや、『剱岳 点の記』でも描かれた1300年の歴史を持つ立山信仰の対象である立山がある、まさにストーリーの宝庫とも言うべき場所。

今シーズン、その姿を見られるのもあとわずかな時間ですが、是非それぞれの名作映画とともにその絶景の余韻に浸りたいものです。

ダム
途中で目にする黒部峡谷のダムの迫力に圧倒されます(筆者撮影)
上部専用軌道
ロマンある地下施設に、美しく広大な自然の絶景。一般開放される日が待ち遠しいです(筆者撮影)
古関 和典 ロケ地研究家、コンテンツツーリズム研究家

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こせき かずのり / Kazunori Koseki

1973年神戸市生まれ、早稲田大学政治経済学部卒業後、旅行会社に入社。映画『のだめカンタービレ』のヨーロッパロケを担当して以降、社内でチームを立ち上げ、数多くの映画、テレビドラマ、アニメ等のコンテンツ制作の業務に携わる。2016年、TIFFCOMにおいて、『日経エンタテインメント!』と共催で「全国ロケ地セミナー」を開催し、その活動が同誌でも紹介される。2023年、法政大学大学院政策創造研究科修士課程修了。

現在は業務の傍らでロケ地研究家として「ロケ地ラボ」を主宰し、各大学や地域での講演も行っている(2015年以降、内閣官房より「地域活性化伝道師」の委嘱を受け活動)。2021年、フジテレビ『超逆境クイズ!!99人の壁』に「ジャンル=ロケ地」でチャレンジャー出場、グランドスラム達成。コンテンツツーリズム学会理事。

ブログ:https://ameblo.jp/chiiki-media/

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