「ロマンありすぎ」「中島みゆきが歌ってた」 計画に遅れも…《黒部宇奈月キャニオンルート》早ければ2026年に一般開放! いったい何がすごい?
工事用トロッコに揺られることも、普段は経験できない貴重な体験。
途中に通過する「黒部川第三発電所」は、「くろよん」竣工の前、1940年に建設されました。吉村昭氏による小説『高熱隧道』(1967年)の舞台でもあります。
この地域では、古くは大正時代から調査が着々と進められていて、渓谷の岩を削ってつくられた「日電歩道」と呼ばれる細い道を、測量隊が命がけで荷物を運ぶ姿が見られました。
小説では、建設当時、岩盤温度が最高166度にもなった過酷な工事と、そこで奮闘した人々の様子が克明に描かれています。
そして黒部川の絶景の渓谷を眺め、途中で下車しつつ約1時間の旅を終え、標高800mの「欅平上部」に到着しました。
そこから竪坑エレベーターに乗って200mほど下り、「欅平下部」にたどり着きます。ここで次の工事用トロッコ電車にて黒部峡谷鉄道の欅平駅へ向かいます。
同駅からは、観光客にも人気の「黒部峡谷鉄道」に乗って宇奈月温泉へ向かうことができます。「黒部宇奈月キャニオンルート」の来年の一般公開が待たれます。
大自然のリアルを描いた「立山が舞台の作品」
さて、ここまで新ルートの「黒部宇奈月キャニオンルート」をたどってきましたが、ここで一度、黒部ダムまで戻り、「立山黒部アルペンルート」の旅を続けましょう。
立山を舞台にした映画といえば、一連の山岳映画を忘れてはならないでしょう。
10月31日公開の映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』(阪本順治監督、吉永小百合さん主演)で、過酷なエベレスト登山のシーンが撮影されたのも、実はここ立山。高原バスの停留所「室堂」の1つ手前にある「天狗平」から望む剱岳は絶景です。
また、先に挙げた『剱岳 点の記』は、新田次郎氏による山岳小説で、明治時代にはまだ未踏峰であった剱岳に挑む測量隊を描いた作品。09年に木村大作監督によって映画化されました。
立山の麓を走る富山地方鉄道の、木造の名駅舎で知られた「岩峅寺(いわくらじ)駅」で、ここを「富山駅」として撮影が行われています。



















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