「別に入れなくてもいいチラシ」をなぜ作るのか…通販会社社長が明かす【客に会わない仕事】の"要諦"

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その「知っている」の度合い、深さ、量が多い相手ほど、人間は親近感や「この人に悪いことをしてはダメだな」という気持ちが働くようになっています。

なので「わたし達が、どんな事を、どんな風に頑張っているのか、知ってもらおう」という作戦を取ることにしました。

わかさ生活は1998年4月創業ですが、5月から「わかさニュース」という「手書きの会報誌」を作り、購入してくれたすべてのお客さんにお送りをしています。これは、この創業前のテスト期間に起こった「未払い事件」が大きなきっかけになっています。

今、サプリメントなどの通販をやっている会社はほぼすべて「手書き風の手紙」「従業員の顔出し、写真を使ったパンフレット」を使っています。この文化、習慣を生み出した初期の会社のうちの1社がわかさ生活です。

「別に入れなくてもいいチラシ」を作る意味

商品や仕事についての真面目な取り組み、商品には関係がないけれど健康に関する情報。スタッフやわたし、社長のちょっとしたプライベートなことまで。とにかく、全部手書き。

これは予算が無かったからでも、絵や字がうまいスタッフがいたからでもありません。戦略的に、です。

あえて「すべて手書き」にすることで、「この人たちは、良い人たちだな」「踏み倒してはいけない、踏み倒したくない人たちだな」と相手に感じてもらう、という目的のもと、一見すると非効率的にも見える「すべて手書き」を選んだのです。

当然、外注費がかからないというコスト面での良さもあったのですが、それはオマケのようなものであり、この方法を選んだ一番の理由ではありません。むしろ「別に入れなくてもいいチラシ」を作り、印刷して、入れているのでコストをかけています。

この方法が、わたしにとっては「未払いをする人がいない世界」を実現するために絶対必要になると思えるものであったのです。

この結果、わかさ生活の集金率は1年目から「98%」になりました。当時の通販業界の常識が80%といわれている中、異常な数字といわれました。

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