「別に入れなくてもいいチラシ」をなぜ作るのか…通販会社社長が明かす【客に会わない仕事】の"要諦"

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結論から言うと、相手はシラを切り通し、代金は支払ってもらえませんでした。

わたしは、会話の間ずっと相手を観察していました。この時点で、わたしもお客さんの気持ちを読む仕事を17年ほどやっており、会話のトーン、ジェスチャーなどのコミュニケーションから相手の考えや気持ちを読む能力は人並み以上にはありました。

「どうしてこの人は、こんなことをしているんだろう」。そのような観点からその人の言動を観察し続けました。そして、わたしなりに辿り着いた言葉は「この人、こっちを《踏み倒していい》と思っているんだな」ということでした。

「通販の集金率は70〜80%。それを見越した値付けをしないといけない」。セミナーで聞いた通販会社の社長の言葉が思い出されました。

このような経験を経て、わたしは「ならば、踏み倒されないような会社になろう」「相手が《この人たちは、踏み倒したらいけないな》《踏み倒したくないな》と思われる会社になろう」と考えました。

「お金を払わない人」に対して対症療法的な個別対応をするのではなく、「そもそも、お金を払わない人が出ないようにする」という根治療法をしようと考えたのです。

自分達を知ってもらうための「手書きの会報誌」

では、あなたはどんな相手なら「踏み倒したらいけないな」と感じますか?

普通はどんな相手でも踏み倒したり、約束を破るということをしてはいけないのですが、より明確に「この人相手にはダメだな」と思うのはどのような人でしょうか。

恐らく、今あなたの頭の中には「ヤクザ的な怖い人」が浮かんでいると思います。それは「踏み倒そうとしたら、何か怖いことが起こる」からでしょう。

わたしも一瞬そう考えましたが、その方向性は現実的に難しいですし、性格的にも性質的にも無理です。何よりも、そんなことはやりたくありません。

正解は「頑張っている人」、そして「知っている人」です。

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