イオンは増量・生協は値下げ――問われる「プライベートブランド」の真価。価格と品質を両立させるスーパーの戦略

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

近年でも、2024年11月に東京都西部が地盤のいなげやがUSMHと経営統合し、新生USMHは単純合計売上高9000億円超、600店舗超の首都圏最大のチェーンになった。

セブン&アイ・ホールディングスは、祖業であるイトーヨーカ堂を食品中心に改め、グループのスーパーマーケットであるヨークと23年度に統合した。ヤオコーを中核とするブルーゾーンホールディングスは、東京、愛知の地場企業を相次ぎ傘下に収めている。

関西では阪急百貨店を中核とするH2Oリテイリングが22年、関西スーパーマーケットと阪急オアシス、イズミヤを再編成して中間持株会社の関西フードマーケットを設立、24年には完全子会社とした。

また、バローホールディングスがトーホーストアを買収し、関西に本格進出した。九州が地盤のトライアルホールディングスが老舗の西友を買収するなど、新興勢力の動きも活発になっている。

一方、資本は異なるが、プライベートブランド(PB=自主企画)商品の開発や、メーカー品であるナショナルブランドの仕入れを共同化する連携組織のシジシージャパン(CGC)、ニチリウ(日本流通産業)、コプロ(オール日本スーパーマーケット協会)、私鉄系の八社会などもある。また、各地の生活協同組合(生協)が結集する日本生活協同組合連合会も有力なスーパーマーケット団体といえるだろう。

プライベートブランドの魅力

メーカー品から乗り換える消費者
【生活者の声】いろいろな商品が値上げしています。4月にベースアップはありましたが、子どもの教育費もかさんで毎月のやりくりに四苦八苦しています。メーカー品に比べて安いPBについ手が伸びます(40代・メーカー勤務)

「少しでも安い商品を買いたいニーズは高まっている」

北関東のスーパーマーケット、ベイシア(群馬県前橋市)の相木孝仁社長はこう指摘する。実際、物価高が続く中、消費者もPBを求める動きが目立つ。

PBはスーパーマーケットなど小売事業者が自ら企画、開発した商品のこと。計画的な生産ができるほか、広告宣伝費もかけないことで、大手メーカーの同種の商品に比べて1~3割ほど安いのが特徴だ。PBを取り扱う企業は約82%にのぼる※。

※全国スーパーマーケット協会「2025年版スーパーマーケット白書」より
https://www.super.or.jp/wp/wp-content/uploads/2024/02/NSAJ-Supermarket-hakusho2025_Full.pdf

次ページ「コスパがいい」だけじゃない
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事