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PB商品の人気ぶりが映す中国経済の構造転換 食用油の管理問題から安心・安全志向が高まる

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食品安全への不安がPB人気に火をつけた。コスパ意識の高まりもそれを加速する。

食用油の不適切な扱いが表面化、消費者に不安が広がった。写真は北京のスーパーの食品売り場 (写真:AP/アフロ)

中国の小売業でPB(プライベートブランド)商品に注力する動きが高まっている。その背景には、経済不振による消費者の「脱ブランド」傾向の加速、さらには出所の確かな商品を買いたいと願う安心・安全志向がある。

今年7月、中国でのPB商品の活況を加速する事件があった。天津市や河北省で、工業用燃料を輸送するタンクローリーでタンク内を洗浄しないまま食用油を運ぶ行為が常態化していることがメディアの報道で発覚。あまりの管理のずさんさに国民はあぜんとし、国務院(内閣)も調査に乗り出すなど大きな騒動となった。

この事件以降、スーパーなどでは「原材料のオリジン」が確実な商品に対する消費者のニーズが急速に高まった。

日頃から顧客視点に立った誠実な商売で「神スーパー」の異名を取る「胖東来」(河南省許昌市)では、5リットル入り1缶59元(1元は約21円)で販売するPBの「ひまわり種食用油」が来店客による奪い合いとなって瞬時に売り切れ、お詫び広告を出した。

同社はこの商品を広東省深圳市や江蘇省南京市などの契約工場で生産しており、定期的に社員を派遣して生産プロセスや品質をチェックするなどの体制を取っている。この点が消費者に強くアピールした。

またネット通販大手の京東(JD.com)でも同社のPBの食用油が平時の5倍の販売量になるなど、確かな実績を持つ企業のPB商品の強さを改めて示した。

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