「"転売ヤー"が消えた?」「結局、倍率高い」 抽選が行われた高級タワマン《セントラルガーデン月島 ザ タワー》"転売規制"で露呈した「残酷な現実」

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今回の三井不レジの方針は単なる販売規制ではない。このような投機によって歪みつつあった新築マンション市場に対し「リスクを負わずに利益を得る行為は認めない」というメッセージを伝えたようにも思える。

しっかりとその物件の価値を判断し、自らリスクを負いながらマンションを買っていく。当たり前のことを求められているだけのことだ。

私自身も、4度の売買(当然、引き渡し前の販売ではない)で、このリスクと何度も向き合ってきた。次の物件をすでに契約しているのに、もし市況が崩れて今の物件が安くしか売れなかったらどうしよう。そんな不安で眠れなかった夜もある。

リスクを背負ってきた1人のタワマン愛好家として、マンションを住まずに投機の対象とする行為を肯定することはできない。そう思っている。

セントラルガーデン月島 ザ タワー
ファミリーが暮らすのに十分な広さである74平米の部屋の間取り図(画像:三井不動産レジデンシャルのサイトより)

「セントラルガーデン月島 ザ タワー」は下落する?

さて、この新方針で不動産価格は下がるのだろうか? という問いについて考えてみたい。

まず、すぐに価格が下がる可能性は低いと私は思う。マンション価格の高騰は転売ヤーの存在というより他の要因によるものが大きい。また、デベロッパー自身も決して価格下落は望んでいない。そして、現在は供給の絞り込みによってマンションの値崩れは起こりにくい構造になっている。

ただし、このようなことが起こる可能性がある。

投機目的の買い主が引き渡し「前」に売り抜けられなくなることで、引き渡し「後」に一斉に売却に動く。その場合、売り出しが一斉に行われ、需要と供給のバランスが崩れ、短期的には少しだけ買い手優位の市場が形成されることはあるかもしれない。

次ページとはいえ、この現象は一時的なもの
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