「"転売ヤー"が消えた?」「結局、倍率高い」 抽選が行われた高級タワマン《セントラルガーデン月島 ザ タワー》"転売規制"で露呈した「残酷な現実」

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もちろん私も購入を検討したいところだったが、人気がありすぎてモデルルームの予約にすらたどり着けない。早い段階で「これは買えない」と白旗を上げた物件でもある。

そのマンションで引き渡し「前」に転売活動を行った場合、三井不レジは手付金の没収と契約解除が可能になるというのだ。

現在、三井不レジでは人気物件の手付金を10%に設定するケースが多い。1億円の部屋なら手付金は1000万円、5億円の部屋なら5000万円にもなる。この金額を捨てる覚悟で引き渡し前の転売活動をする人はいないだろう。投機目的の買い主にとっては大きな打撃となる可能性がある。

今年7月には東京都千代田区から出された「投機抑制に向けた対策を」という要請もあり、なんらかの行動を求められていた大手デベロッパーが示した1つの答えが、この手付金没収ルールだと思われる。

セントラルガーデン月島 ザ タワー
「湾岸に森をつくる」というコンセプトのもと、敷地内には豊かな緑が広がる予定だという(画像:三井不動産レジデンシャルのサイトより)

「転売ヤー」と言われた筆者

そして、三井不レジの方針を耳にしたとき、私はこう思った。ついにマンション業界で、いわゆる「転売ヤー」の“定義付け”が始まったのだ、と。

私はタワーマンション愛好家だ。これまでに7戸(うちタワマン6戸)を購入し、そのうち4戸を売却してきた。自分ではごく自然な選択だと思っていたし同じような人がたくさんいると思っていたのだが、実は世間では珍しい存在らしい。

これまでの“タワマン遍歴”について2カ月前に掲載した記事や、「PIVOT」にて密着してもらった動画以降、反響が大きく、ありがたいことにさまざまなメディアで取り上げていただいた。

しかし、その記事のコメント欄に、私が強い衝撃を受ける書き込みがあった。

「こいつみたいな“転売ヤー”がいるからマンション価格が高騰している」

――転売ヤー? 私が?

私はマンションが大好きで、最短でも4年は必ず住み、生活の拠点としてきた。自分で住まないマンションを買ったことは一度もない。

常に「一生住んでもいい」と思える家だけを選ぶのだが、次々と新しい魅力的な物件が出るのが悩みの種。断腸の思いでそのとき住んでいるマンションを売却し、次の資金に回してきた。

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