7~9月期についてはアメリカのトランプ政権による関税引き上げ攻勢が結果的に業績を押し上げた面もある。趙氏によると、多くの顧客がアメリカの追加関税を懸念して、海外在庫を今後2~3年分に積み増しておくため製品を前倒しで輸出。この結果、中国国内の在庫が逆に不足し、半導体の調達を急がざるを得ない状況となっているという。特にEV(電気自動車)などで大量に使われるパワー半導体などの需要が逼迫している。
今後の業績を左右しそうなのはメモリー半導体市況だ。趙氏は、今後の価格動向について、需給ギャップに大きく左右されると指摘、「供給に5%の不足が生じれば、価格は倍増する。逆に5%余剰があれば価格は半分になる」と説明、現状では不足幅が5%を上回っているため、高値が続く可能性が高いとの考えを示した。
月産能力100万枚を突破
SMICは2025年10~12月期の業績見通しについて、売上高は7~9月期にくらべ横ばいから2%増の範囲と予想。ただし粗利率は18~20%に低下するとの予測を示した。
10~12月期は例年、クリスマス商戦向け出荷を終えた消費者向け電子機器メーカーの需要が一服することに加え、メモリー供給の不確実性も考慮している。なお通期売上高は90億ドル(約1兆3920億円)を超え、過去最高を更新する見込みだ。
新規の設備投資については、25年1~9月期の累計で57億ドル(約8810億円)に達した。SMICのCPU(中央演算処理装置)などロジック半導体の9月末時点での月産能力は初めて100万枚(8インチウェハー換算ベース)を突破、102万3000枚となった。年初から月7万5400枚の生産能力を上積みした計算になる。
(財新記者:劉沛林)
※中国語原文の配信は11月14日
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