エアリーは、ミニマリストにとって重要な「省スペース」「管理のしやすさ」をクリアした最高の寝具のようだ。また、「エアウィーブは高いけど、これは1万9000円(現在、アイリスプラザでは税込み1万6848円)ですから」と、肘さんはリーズナブルな価格も評価している。
あまりの快適さに感激し、感想を2013年にブログにアップしたところ、反響を呼んだ。「今でもエアリー関連の記事はアクセス上位」と肘さんは話す。ミニマリストのオフ会でも、ブログ記事を見てこのマットレスを購入したと話す参加者は多いという。
実はホームセンターでバカ売れしていた
さぞエアリーは“ミニマリスト需要”が大きいのだろうと思い、アイリスオーヤマに問い合わせた。すると、同社広報室の中嶋宏昭さんからは、こんな答えが返ってきた。「購入者を詳細には追えないので、直接的な影響があるとは言い切れません。確かなのは、ホームセンターで売れているということです」。
実は、エアリーは、同社の寝具カテゴリーでトップの売り上げを誇るヒット商品なのだそう。2012年6月、主にホームセンターで売り出したところ、出足から売れ行きは好調で、約1カ月で売り上げは社内計画の3~4倍に。現在、シリーズ累計50万枚を突破している。
「2011年ごろからエアウィーブなどが流行し、消費者の高反発マットレスに対する興味が高まっていたという背景もあります。それがホームセンターで手頃に買えるとなり、人気に火がついたのでは」と、ホーム事業部・統括事業部長の阿部裕之さんはヒットの要因を分析する。
従来、ホームセンターの布団といえば、「3点7980円」といった組み布団が多かった。しかし、これは「新生活を始める一人暮らし用や来客用にはよいが、40~60歳代というメインの来店客ニーズとはズレていた」と、阿部さんは説明する。もともと一般的に寝具がよく売れるのも40~60歳代。エアリーはこの年代層の心をわしづかみにしたことで大ヒットとなったようだが、彼らを引き付けた具体的なポイントは、いったいどこにあったのだろうか。
まずは、やはり「寝心地」だ。同社がエアリーを使用した200人にアンケートをとったところ、「腰痛が改善された」「寝起きがいい」など満足度が非常に高く、93%の人が快眠を実感しているという結果を得たそうだ。
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