ノルウェーでは「ありえない」スルメイカ休漁騒動で露呈した日本漁業のずさんすぎる"資源管理の実態"
今回、小型イカ釣り漁船の漁獲枠が制限を超えてしまい、イカで有名な八戸市がある青森県の知事が水産庁に増枠を要請しましたが、「海水よりしょっぱい答え」と不満げだったと報じられています。
その後、水産基本法に基づき水産に関する重要事項を調査・審議する機関である水産政策審議会で増枠されたものの、すでに増枠分を139トン超過して漁獲済みでした。このため休漁のままになることに対して「怒りの声」という報道もありました。
漁獲枠に達すればそれ以上漁獲してはいけないことは、漁業を成長産業にしている国々では「常識」です。しかしながら我が国では、「イカがいるのに獲れなくて気の毒」という見方になりがちです。
数量による資源管理を軽視してきた日本
日本では、長年世界の常識である「数量管理」を軽視してきました。国連海洋法やSDGsでは、MSY(最大持続生産量、魚を減らさずに獲り続けられる最大値)をもとに「数量」で資源を管理しています。漁期、網目、漁船の大きさによる管理に効果がないとは言いませんが、最大限に威力を発揮しているのは数量管理(アウトプットコントロール)なのです。
数量管理がしっかりしていれば、漁獲枠が実際に漁獲可能な数量よりかなり少なく制限されます。このため価値が低い小さな魚は漁業者自ら避けますし、獲りすぎれば資源量が減って翌年以降に漁獲できる数量が減り、自分で自分の首を絞めてしまうことがわかります。このため「もっと獲らせろ!」といったことにはならないのです。



















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