《それゆけ!カナモリさん》製品特性分析でノンワイヤーブラとカラオケについて考えてみた

 もちろん、コンサート配信をした結果として、映像を見に来たお客が登場したアーティストと同じ曲を歌うためにカラオケボックスを長時間にわたり利用していく、という元来の中核価値に寄った効果も期待はできるが、戦いの土俵を拡大させれば、当然、競合も増えることになる。“本家”のコンサート会場はもちろん、近ごろ同様のパブリックビューイングに力を入れはじめた映画館とも競合するのだ。

しかし、これは必要に迫られての決断ともいえるだろう。カラオケボックスの利用は1998年ごろをピークに右肩下がり。中小零細の淘汰は進み、大手といえども安泰ではない。故に、中核価値を拡大するという決断をしたのだろう。先述の映画館も、観客動員数の減少という不安を抱えているが故に同様の決断をしたのだと推測できる。当初、自己定義した中核価値に囚われていては、なかなか発想できない事業モデルでもある。

売上を伸ばし、生き残るためには、勇気を持って常識にとらわれず、価値構造を変化させていくことが必要だ。そのための指標となるのが、この「製品特性分析」である。「売れない」と嘆く前に、一度お試しあれ。

《プロフィール》
金森努(かなもり・つとむ)
東洋大学経営法学科卒。大手コールセンターに入社。本当の「顧客の生の声」に触れ、マーケティング・コミュニケーションの世界に魅了されてこの道18年。コンサルティング事務所、大手広告代理店ダイレクトマーケティング関連会社を経て、2005年独立起業。青山学院大学経済学部非常勤講師としてベンチャー・マーケティング論も担当。
共著書「CS経営のための電話活用術」(誠文堂新光社)「思考停止企業」(ダイヤモンド社)。
「日経BizPlus」などのウェブサイト・「販促会議」など雑誌への連載、講演・各メディアへの出演多数。一貫してマーケティングにおける「顧客視点」の重要性を説く。
◆この記事は、「GLOBIS.JP」に2012年5月11日に掲載された記事を、東洋経済オンラインの読者向けに再構成したものです。

 

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