かつては「オトナの飲み物」として、全国の家庭どこにでもあったガラス瓶入りのインスタントコーヒー。しかし少人数・単身世帯の増加に伴い個食化が進み、また、スターバックスコーヒーなどに代表される多様なバリエーションでの“外飲みコーヒー”が定着するに連れ、その売上は減少の一途を辿っていた。ところが2011年、インスタントコーヒー市場の対前年比は105%と再度、増加に転じる(2011年1月~10月、インテージMFI調べ)。これを牽引した立役者が、ネスカフェが投入したのが表題のコーヒーマシン「ネスカフェ バリスタ」なのだという。
■アフターマーケティングでコーヒーを売る
お湯や水に溶かすだけで飲めるコーヒーのことをインスタントコーヒー、またはソリュブルコーヒー(可溶性コーヒー)などと呼ぶが、バリスタの最大の特徴は、ネスカフェのインスタントコーヒー「ネスカフェ エコ&システムパック」(バリスタの発売当時は「ネスカフェ チャージ」)をカチッとセットするだけで、エスプレッソやブラックコーヒー、カフェラテ、カプチーノまでも楽しめる手軽さにある。
一般に、コーヒーマシン、或いはエスプレッソマシンと呼ばれる製品は、細かく挽豆したコーヒーか、専用の使い捨てカートリッジを用いるものが過半で、前者は洗浄などメンテナンスの手間が、後者は(スーパーやGMSなどのルートには乗らない直販タイプが多いため)入手の手間がユーザーにとってはハードルとなっていた。
そこに登場したのがバリスタである。もともとガラス瓶入りの「ネスカフェ」の詰め替えパックとして流通していたエコ・コンシャスな紙パック入りのインスタントコーヒーを“専用カートリッジ”的にセットするだけ。もとより全て水に溶ける特質からゴミも出ず、頻繁な機械洗浄などの手間もない。無駄な圧力がかかったりしない理想的な状態でコーヒーマシンにインスタントコーヒーが供給でき、空気に触れる機会もないため酸化せずおいしさを維持できるという。
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